『アオハル “bitter”』に掲載されたTNSK先生の『忘月夏』があまりにも衝撃的だったので、単独で感想を書きたいと思います
未読の人に対してのレビューを書くなんていう力量はないので、一度読んだコトを前提に
一応ネタバレを含む可能性が大いに有り得るので注意して下さい
ストーリーは、「笠成のお祭り」という風変わりな祭事が残る辺鄙な田舎に、今はもうこの世にいない恋人との約束を果たすために里帰りしてきた青年のお話です
「田舎」「秘祭」「夏」「里帰り」そして「約束」「哀傷」などのコンセプトがどストライクです
読み始めるとすぐに作品に引き込まれ、坦々と話を読み進めるコトができました
まず、キャラクターと吹き出し以外が白紙のページで最初に鳥肌が
この作品の中で一番好きな演出です
「私は真子姉ちゃんの変わりなんじゃ」
読み終えてから考えると、何気ないこの一言に全てが詰まっている感じがしますね
ここらへんから嫌な予感がしてきて、屋根の上でのシーンでそれは最高潮に
千代は方言で喋るコトも相まってすごく可愛らしいのですが、ところどころ悲しみが感じられるのがすごくいい
祭りが始まってからの小春の心の声、ここでの言葉選びは素晴らしいとしか言いようがありません
そして、見開きのページで一気にどん底に突き落とす
久しぶりに心がえぐられるような思いをしました
最後は「いつか…私に会いに来て」という台詞で笑顔で終わる
読み終わったときには、言葉に言い表せない感情になると同時に、感動して泣きそうな感じに
最初は読み返したくないという思いが強く、しっかり読み返そうと思うまでに少し時間がかかりました
…本当にダメダメな感想ですいません
この作品にあまりにも感情を揺さぶられてしまったので、何か言いたいという感情を抑えるコトができませんでした
願わくば、この作品が単行本に収録されるとうれしいです
この作品に出会えてよかった
<追記>
この作品、18禁でも読んでみたい
本編では見開きでインパクトがあるすごく濃縮された表現になっているけど、そこの描写を詳しく描くのもありだと思う
性行為をしてる際の双方の気持ちや葛藤、表情などを見てみたい
でも、性行為に重点が置かれると、どうしても物語性が失われる可能性がある
やっぱり少しぼかした今のまま表現の方がいいのかもしれないな
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